公園内にある植物をしらべたところ、草花や樹木あわせて、現在250種類ほどあります。その中には「絶滅危惧種」も含まれています。残念ながら、心ない市民によって持ち帰られることもしばしばで、珍しい植物や美しい花がどんどん姿を消しています。どうぞ、毎年、楽しみに出会えるように、花を見つけたら、記憶に刻み、写真に撮って、持ち帰ってくださいね。
現在、公園内のいろいろなエリアでタケの侵入が問題になっていますが、烏帽子形公園はもともと「自然生態観察公園」として整備されています。公園内、さまざま植生の見本がエリア毎にみられます。代表的なエリアとして、シイ・ヒノキの社寺林、コナラ林、そよごの林、落葉広葉樹の雑木林など、個性豊かな森を、四季を通じて楽しむことができます。
広場の草地にはテントウムシやバッタやチョウ、森の中にはセミやクワガタなどの甲虫、初夏にはヒメボタルやゲンジボタルも見られ、市街地にありながら、四季を通じて、いろいろな昆虫類が見られます。近畿大学大学院生の調査により、アリ39種、チョウ58種が確認されました。ことにアリなどの土壌生物の多様性は烏帽子の森の自然度の高さを教えてくれます。
常緑樹が多い烏帽子形公園内は比較的湿潤で、一年中をとおして約200種類くらいのきのこが見られます。きのこは森の働きもの。樹木や落ち葉を分解し土に戻したり、樹木と共生し樹木を生かしたりと、きのこがいるからこそ、森が元気でいられるのです。また自ら動いて移動する菌類の「粘菌」も、えぼしの森ではたくさんの種類が見つかっています。
森の中で耳を澄ますと、いろいろな鳥のさえずりが聞こえてきます。ほとんどは、シジュウカラやメジロ、エナガ、カワラヒワなど、里山でおなじみの小鳥たち。コゲラも盛んに木をつついています。また、オオルリやイカルなど、季節がくると訪れる野鳥もたくさんおり、オオタカやフクロウなどの猛禽類が時々立ち寄ったりしています。